「準中型免許」とは?法改正によって生まれた新区分

2007年以来、10年ぶりとなる2017年の区分改正によって、自動車運転の免許に「準中型免許」というものが追加されました。 それまでの「中型免許」にあった問題点を解消するための改正であり、これによってトラックなどを運転するためのハードルが下がり、流通業などでの人手不足解消が期待されています。
どのような免許で、取得するにはどうすれば良いのかなどについて見ていきましょう。

2017年3月の法改正により生まれた「準中型免許」

「準中型免許」とは、2017年3月の区分改正により生まれた、その名の通り普通免許と中型免許の間に位置づけられるものです。普通免許であれば総重量5t未満、最大積載量3t未満などの自動車しか運転することができず、トラックなどを運転する場合には中型免許を必要としました。
ところがこの中型免許は、普通免許を取得してから2年以上の運転経験がないと交付されないという問題点を抱えています。18歳で普通免許を取り、運送業などに従事してもその後2年間、20歳になるまで小型のトラックを運転できなかったのです。
中型免許よりやや小型にはなるものの、準中型免許では総重量が7.5t未満、積載量が4.5t未満の車両を運転できるようになります。いわゆる2トントラック、3トントラックの運転が可能ですが、4トントラックは対象外ですので注意が必要です。

準中型免許を取得する際の流れ・条件

準中型免許の取得には、いくつかの方法があります。普通免許を持っていない人の場合、取得する条件は年齢18歳以上、矯正視力が両目で0.8以上、その他の聴力や運動神経などです。普通免許と同様に、指定の自動車教習所で適性検査や技能講習を受けたのちに卒業試験を通れば、交付が受けられます。
また2007年6月1日までに普通免許を取得している人なら、自動的に中型免許も持っているため、取得の必要はありません。そのまま準中型免許の対象となっている小型トラックなどを運転できます。それ以降から2017年3月11までに免許を取得した人の場合は、指定の教習所で4時間の技能教習を受けるか、試験場で「限定解除審査」を受けて通ることで限定解除を行えば、準中型免許を得ることができるのです。
普段普通車しか乗らないなど、自信のない人は技能教習のほうが良いでしょう。

準中型免許を得るためには、免許の取得時期によって限定解除などの手続きもあるため、面倒な部分もあります。
しかしドライバー不足もあり、18歳から小型トラックが運転できるようになるのは運送をはじめとした流通業界には追い風です。中型免許に比べると車両の総重量や積載量に制限がありますので、しっかりと確認の上で運転するようにしましょう。