免許証はいつも財布に入れっぱなしで、期限など気にしたことがないという人は少なくないと思いますが、期限が切れていることに後から気がついたらどうすればいいでしょうか。「期限が切れたら教習所に通い直し?」、「何か罰則があるの?」といろいろな不安がよぎります。
今回は免許が失効してしまった人が免許証を再取得するために必要な手続きについてご案内します。免許失効からどれくらい経っているか、状況別に必要書類や手数料などもまとめていますので参考にしてください。
運転免許失効の基礎知識
再取得手続きの前に、運転免許を失効してしまった場合に最低限知っておくべきことがいくつかありますので頭に入れておきましょう。「期限が切れてる!どうしよう!」と慌てて間違った行動を取らないように、まずは落ち着いて、これから取るべき行動を整理しましょう。
1.運転免許証が失効しても通知はこない
免許証の有効期限が近づくと、『運転免許証更新連絡書』というハガキが届きます。そろそろ更新してくださいね、という案内です。しかし、そこに書かれている更新期間を過ぎてしまうと、免許証が失効になりましたというお知らせや通知はありません。
2.失効期間中に運転するのは無免許運転になる
免許証が失効になった人は、更新のために運転免許センターに行く場合でも車を運転してはいけません。たとえ、昨日まで車に乗っていても、昨日で免許証の期限が切れていると、今日は無免許運転になってしまします。当然行政処分の対象になりますので、失効期間中には絶対に運転しないようにしましょう。
3.再取得手続きは運転免許センターが確実
再取得の手続きは警察署でできるところもありますが、都道府県によってはできない場合もあるので、運転免許センターへ行くのが確実です。また、再取得手続きは平日しか扱っていないことが多いので、事前に電話やホームページで確認しておきましょう。
4.再取得の手続きは住民票がある都道府県の運転免許センターで行う
例えば、現住所に住民票がある人が旅行で県外に遊びに来て、レンタカーを借りようとしたら免許証の期限が切れていたという場合、県外ですぐに再取得の手続きはできません。住民票は現住所ですので、現住所管轄の運転免許センターに行く必要があります。旅先でレンタカーを借りる予定の時はくれぐれも運転免許証の有効期限切れに注意しましょう。
5.失効後は再取得した日が運転免許証の取得年月日となる
再取得日が運転免許証の取得年月日ということは、それまで何年も優良運転者でゴールド免許を持っていたとしても、その情報は帳消しになってしまい、またはじめからブルー免許になるということです。ブルー免許に変わると次回の更新が3年後になり、初心者講習も受けなければなりません。(失効後6カ月以内で、やむを得ない事情により失効させてしまった場合のみゴールド免許を引き継ぐことができます)
失効後6カ月以内の免許証再取得
運転免許証失効後6カ月以内であれば、どんな理由でも申請により再取得することが可能です。視力検査などの適性検査と所定の講習を受ければ、学科試験と技能試験は免除されます。
【必要書類】
・失効した運転免許証
・本人確認書類(保険証やパスポートなど)
・申請用写真1枚(6カ月以内に撮影した、縦3cm×横2.4cmのもの)
・本籍地記載の住民票の写し1通
・運転免許証更新通知書(持っている人のみ)
・
その他、70歳以上の方は高齢者講習修了証明書、日本に住民票がない人は一時帰国証明書なども必要ですので、特殊なケースの場合は運転免許センターに確認しましょう。
【手数料】
受験手数料+交付手数料 3,900円
講習手数料 優良運転者 500円
一般運転者 800円
違反運転者 1350円
初回更新者 1350円
失効後6カ月超~1年以内の免許証再取得
特別な理由はなく、単に更新手続きを忘れてしまった場合、大型自動車・中型自動車・普通自動車の免許を持っていた人に限り、仮免許試験が免除されます。適性試験と所定の講習は受けます。
【必要書類】
・失効した運転免許証
・本人確認書類(保険証やパスポートなど)
・申請用写真1枚(6カ月以内に撮影した、縦3cm×横2.4cmのもの)
・本籍地記載の住民票の写し1通
【手数料】
都道府県や取得する免許の種別によって手数料が変わる場合もあるので運転免許センターか警察署で確認しましょう。
失効後6カ月超~3年以内の免許証再取得
やむを得ない事情により失効後6カ月を過ぎてしまった人は、その事情が止んで1カ月以内、なおかつ失効後3年以内であれば、適性試験と所定の講習のみで運転免許証を再取得することができます。
(なお、やむを得ない事情が平成13年6月19日以前に生じた方については、失効後3年を経過していてもその事情が止んでから1カ月以内であれば申請できます)
【やむを得ない事情とは】
・留学、旅行、仕事で海外にいた
・病気、怪我、出産で入院していた
・服役、逮捕勾留などで身体を拘束されていた
・地震や津波などの自然災害にあった
【必要書類】
・失効した運転免許証
・本人確認書類(保険証やパスポートなど)
・申請用写真1枚(6カ月以内に撮影した、縦3cm×横2.4cmのもの)
・本籍地記載の住民票の写し1通
・やむを得ない事情を証明するもの(パスポートの出入国記録や入院証明書など)
【手数料】
都道府県や取得する免許の種別によって手数料が変わる場合もあるので運転免許センターか警察署で確認しましょう。
失効後3年超の免許証再取得
失効後3年を超えると、基本的にはどんな理由であれ再取得は不可能です。ただし、上の項目でも触れた通り、やむを得ない事情が平成13年6月19日以前に生じた方については、失効後3年を経過していてもその事情が止んでから1カ月以内であれば申請できます。
例えば、平成13年の5月から海外勤務が始まり、平成17年に免許証の期限が切れた場合、平成30年の3月に退職して日本に戻ってきても、1カ月以内に申請すれば再取得が可能というわけです。
失効後1年超の免許証再取得
特別な理由がなく、「単に忘れていた」「面倒だったので後回しにしていた」という理由で失効後1年を経過すると、残念ながら再取得はできなくなります。新たに免許を取得するには一から教習所に通うか、一発試験と呼ばれる免許試験場で直接受験するかの二通りの方法があります。一発試験というと短期間ですぐに免許が取れると思ってしまいますが、実際は仮免試験合格後、路上教習、学科試験、実技試験を全て自力でクリアする必要があり合格率は非常に低いと言われています。
イチかバチかで一発試験に挑むよりは、教習所に通い直した方が結局安く済むということもありますので、よく考えてから決めましょう。
失効に気づいたらすぐに手続きしよう
免許失効と再取得について説明してきましたが、どのような手続きを踏めばいいのかお分かりいただけたでしょうか。上から順に見てもらえば分かる通り、再取得は時間が経てば経つほど手続きが複雑になっていきます。期限が切れていることに気づいていながらそのまま車を運転し続けるのはもってのほかですが、「手続きが難しそうだから…」と後回しにすると、タイミングを逃して半年、1年とあっという間に過ぎてしまいます。
時間とお金をかけ、一生懸命勉強して取得した免許を「うっかり」や「面倒」で失ってしまうのは非常にもったいないことです。失効に気がついたら一日も早く運転免許センターで再取得の申請をしましょう。