ここでは免許を取得するまでの流れを紹介します。取得する免許はMTとATのどちらを選ぶか、自動車学校への入校から卒業までに何が必要かなど、免許取得のために大切なことを覚えておきましょう。そうすれば、勉強中から試験本番まで戸惑うことなく、安心して対策を立てることができます。
自動車免許を取得するまでの流れ
免許取得までのおおまかな流れ
自動車免許を取得するためには、一般的には自動車学校を卒業することが必要です。入校から卒業、免許の取得までの流れは以下の通りです。
①入校
②適性検査
③第一段階学科&技能講習
④仮免試験(学科&技能)
⑤仮免取得
⑥第二段階学科&技能講習
⑦卒検
⑧卒業証明書交付
⑨運転免許センター学科試験
⑩運転免許取得
これらのうちで、自動車学校に通うのは8番まで。卒業証明書を交付してもらうことで技能試験を免除され、運転免許センターで学科試験に合格することで免許を取得できます!
取得するまでの全体の流れ
自動車学校での流れを理解した後は、全体の流れも確認しておきましょう。
1.免許の種類を決める
運転免許にはいくつかの種類があります。普通自動車か二輪車か、MTかATかなど、自分の目指す免許を決めておきましょう。MT免許とAT免許では、運転できる車種やかかる時間・費用も違っています。詳しくは次の項目で確認していきましょう。
2.通う自動車学校を決める
次に重要なことが、どの自動車学校に通うか決めることです。実は自動車学校には、2つの種類があります。公安委員会から指定を受けた「指定自動車教習所」と、指定を受けていない「届出自動車教習所」の2種類です。前者を卒業すると技能試験が免除されますが、後者は免除されません。
3.自動車学校で運転技術を学び、卒業証明書を交付してもらう
無事に指定自動車教習所の検定に合格すれば、卒業証明書を交付してもらうことができます。この卒業証明書があることで、運転免許センターの実技試験を免除してもらうことができるのです。そのため、自動車学校は、必ず「指定自動車教習所」を選びましょう。
4.運転免許センターの試験に合格する
運転免許センターでは、実技試験を除いて、適性試験と学科試験を受けることになります。適性試験は自動車学校の入校の際にも受けるものなので問題ないでしょう。学科試験では、交通法規や安全マナーに関する問題が出題されます。これまでの勉強の成果を発揮しましょう。
5.免許の交付手続き
学科試験に合格すれば、いよいよ自動車免許の交付です。手数料を支払い、免許用の写真を撮影してもらいましょう。最後に指定された時間になったら、会場で免許の交付です。仮免許証もここで返却するので、忘れずに取り出しておきましょう。
MT免許・AT免許の割合
そもそもMT免許とAT免許は何が違うか
自動車免許には、MTとATがあることは知っていても、どちらを選べば良いか困っている方も多いことでしょう。自動車学校に入校する前に決める必要があるので、なおさらです。そこで、まずはMTとATの違いを確認しましょう。
【MT・AMの意味とは】
MTは「マニュアル・トランスミッション」の略で、ATは「オートマティック・トランスミッション」の略です。MT車には、AT車にない「クラッチ」というペダルが付いています。このクラッチを踏むことでギアを切り替え、細かな調整をすることが可能です。MT免許を取得した場合は、MT車とAT車の両方を運転できます。AT免許の場合は、AT車のみ運転することが可能です。
【MT車・AT車、それぞれのメリット】
MT車ではギアの切り替えができることは説明しましたが、それだけでは何の役に立つのかピンときませんよね。このギアを切り替えることで、運転手の感覚に合わせて速度調整ができるので、燃費も向上しやすくなります。また自分で細かく操作するので、急発進やスリップなどの事故が起きる可能性を抑えることができます。一方で、AT車は自動でギアを切り替えるため、複雑な操作を必要としないことがメリットです。MT車では操作ミスによりエンジンストップが起きる可能性がありますが、AT車はその心配が要りません。
【MTとATの取得割合は?】
どういった特徴があるかは分かりましたが、どのぐらいの割合で取得されているのかも気になる要素です。そこで男女別の免許取得割合をみてみましょう。ソニー損保が2017年に行った新成人へのアンケートによると、以下の割合となっていました。
・AT/MT免許合計の男女比率
新成人全体の取得率 男性の取得率 女性の取得率
56.3% 61.8% 50.8%
・MTの男女比率
新成人全体の取得率 男性の取得率 女性の取得率
23.4% 39.4% 7.4%
・ATの男女比率
新成人全体の取得率 男性の取得率 女性の取得率
32.9% 22.4% 43.4%
このように成人を迎えた時点で、免許を取得している人は56%以上いて、そのうち32.9%がAT免許です。現在、新しく生産される国産車の多くがAT車であるため、自家用車を運転するためなら、AT免許で十分であることが理由となっています。しかし、男性のみに限れば、MT免許の取得比率が高いことが特徴です。これは趣味で外国車に乗ったり、仕事上の関係でMT車に乗ったりしている人が多いことが関係しています。そのため、MT・AT免許の取得は、車の運転が好きか、将来的に仕事で必要になるか、といった点を考慮して決めると良いでしょう。
MT免許・AT免許の教習時間や費用はどれくらい違う?
MT・AT、取得までの時間はどれぐらい違う?
実はMT免許とAT免許の取得は、それほど大きな差があるわけではありません。基本的な講習は、共通しているため、AT免許の教習にプラスアルファしたものがMT免許の教習になります。MT免許のみの教習は技能教習が「3時限」です。
MT・ATは取得費用も違う!
MT免許とAT免許は講習時間が違うため、支払う料金も変わってきます。教習所ごとの料金設定にもよりますが、1時限で5,000円ぐらいと考えると、3時限で15,000円程度の差が出てきます。そのため、MT車に乗る予定がない場合は、AT限定免許の方がお得と言えるでしょう。
またAT免許は取得した後で、追加の教習と審査を受けることでMT免許に切り替えることもできます。路上講習や学科試験は必要ないため、短期間で取得することが可能です。ただし、入学金などの費用を再度払う必要があるため、将来MT車に乗る可能性があるかどうか考えた上で、どちらを取得するか決めましょう。
合宿免許の1日の流れ
合宿は予定が決められている
合宿ではなく自宅から通学する場合は、先に予約を取ってから講習を受けます。そのため、人の集中する期間は講習を受けられないこともあるでしょう。しかし合宿免許では、決められた時間割に沿って講習を受けることになります。期間は教習所やプランにもよりますが、MT免許では最短で15泊16日、AT免許の場合は14泊15日程度であることが一般的です。その間、どのようなスケジュールで過ごすのかも気になりますよね?合宿中の1日の流れをみてみましょう!
合宿の1日
・起床~朝食
合宿免許は宿泊料金と合わせて、三食分の料金が含まれていることが一般的です。この場合、使用時間が決まっているので気をつけましょう。プランによっては別料金だったり、別の場所で食事を摂ったりすることもあります。
・送迎バスで教習所へ
宿泊施設が教習所から離れている場合は、送迎バスで移動することになります。教習所に着いたら、受付で教習原簿という教習の進捗確認表の受けとりや、配車の手続きを済ませます。
・教習開始
技能講習と学科教習を交互にすすめていくことになります。一日に行う教習は4~6程度であるため、午前中に3時限程度の教習を行います。午前中に1時間程度の自由時間をはさみ、休憩や復習に当てることが一般です。
・昼食
朝食と同じように宿泊施設で摂ることになります。ビュッフェ・バイキング形式であることが多いようです。
・午後の教習
午前中と同じく間に休憩をはさみつつ、2時限~3時限程度の教習を行っていきます。
・夕食と自由時間
教習が終われば宿泊施設に戻り夕食を摂ります。その後は就寝時間まで自由時間です。外出できる場合も多いので、周辺の施設やレジャースポットの有無なども自動車学校を選ぶ基準にしてみるのも良いでしょう。
免許取得までの流れをしっかり押さえておこう!(まとめ)
免許の取得には、どの免許を目指すかを決め、卒業までの計画を明確にすることが重要です。そして一番計画が立てやすく効率が良いのは、やはり合宿免許への参加です。合宿免許は教習所ごとに、さまざまな特色があります。レジャー施設を備えたホテルを用意したり、追加教習の費用保証が付いていたりと、通学にはないメリットがたくさんあります。ぜひあなたにあった合宿プランを見つけて、楽しく効率的に自動車免許を取得しましょう!