就職に有利となる牽引免許!免許取得は合宿免許の方が有利?

就職に有利となる運転免許といえば、大型トラックが運転できる大型免許や、タクシーや運転代行に必要な普通二種免許、バスなどの運転ができる大型二種が挙げられます。 しかし、大型トレーラーやタンクローリーなどの特殊な大型車両を運転するとなると、こうした免許では運転できません。運転するには、「牽引免許」と呼ばれる免許が必要となります。 最近では、トレーラーのドライバーが高齢化したことで、この牽引免許を持っている人の需要が高まりつつあります。こうした状況を踏まえ、就職のために牽引免許の資格取得も「アリ」でしょう。 また、牽引免許を取得すれば、キャンピングカーの運転や、ボートなどの牽引も行うことができます。 アウトドアでのレジャーを楽しむ人や、アウトドア系のお店を開きたい人なども、この牽引免許は大いに活用できるでしょう。

牽引免許ってどんなもの?

牽引免許ってどんなもの?

牽引免許とは?

牽引免許とは、他の車や荷台を牽引(引っ張ること)するために必要な免許です。 免許が必要な荷台は、「車両総重量が750kgを超える車」。主に大型トレーラーやタンクローリー、キャリアカー、キャンピングカーなど、運転席と荷台が分離できる車両が対象となります。

牽引免許の種類について

牽引免許には①牽引一種免許、②牽引二種免許、③限定条件つき牽引免許の3つがあります。
①牽引一種免許
「牽引免許とは?」でも書いた、車両総重量が750kgを超える車を対象にした免許です。正式名称は牽引一種免許ですが、通常「牽引免許」といえば、この牽引一種免許を指します。 この免許を取得することで、大型の貨物トレーラーやタンクローリー、キャリアカーなど、重量のあるさまざまな車種を乗りこなすことができます。 貨物トレーラーやタンクローリーなどのドライバーを目指している人は、この牽引免許の取得を目指すと良いでしょう。
②牽引二種免許
牽引二種免許は、車両総重量が750kgを超える車両を「営業のために」牽引する場合に必要な免許」です。 「営業のため」というのは、普通二種免許で運転できるタクシーなどのように、お客さんを乗せた状態で車両を運転できるという意味。免許を取得することで、お客さんを乗せて走るトレーラーバスなどを運転できるようになります。 しかしながら、国内ではトレーラーバスの運行はまったくといっていいほどないため、この免許を取得しても使う機会はほぼありません。 それでも、毎年約2,000人がこの資格を受験するのは、牽引二種免許が国内の運転免許の中で最難関だといわれているからです。 自分の技術力をアピールするために取得を目指す人や、難しい免許を取得したいとする「免許マニア」な人に、この免許の取得はおすすめできます。
③限定条件つき牽引免許
限定条件つき牽引免許は、車両総重量が750kg~2000kgまでの車を運転できる資格です。運転できる重量に上限があるので、「ライトトレーラー免許」などとも呼ばれます。 小型の貨物トレーラーや、大型のキャンピングカーを運転する場合にこの免許を使うことができます。 しかし、この免許は教習所で取得ができないため、教習所での練習をせず、いきなり運転免許試験場で受験をしなければいけません。 また、試験場では車両も用意されていません。受験するためには牽引免許を持っている人に、わざわざ2000kg以下の車両を持ってきてもらう必要もあるのです。 免許を取るのも大変ですが、取得しても仕事で使われるトレーラーはほとんどが2000kg以上であるため、使い所のない免許となります。 牽引一種免許よりは安く取得できますが、免許取得のハードルが高い上、仕事でも使いどころが限られてしまうため、取得をするなら牽引一種免許がおすすめです。

牽引免許を取得するための条件

牽引免許を取得するための条件

免許取得に必要な条件4つ

①年齢
・18歳以上(牽引二種の場合、21歳以上)
②必要な免許
・大型免許・普通免許・大型特殊免許のいずれかを取得していること (牽引二種の場合、大型免許・普通免許・準中型免許・普通免許・大型特殊免許の取得後3年以上経過していること。また、牽引一種免許か、他の第二種免許を取得していることが必要)
③視力・色別力・深視力
・片目0.5、両眼で0.8以上の視力がある(眼鏡などによる視力も含む) ・赤・青・黄色の色彩識別ができる ・2.5mの深視力(遠近感・立体感を知覚する能力)を3回検査し、その平均誤差が2cm以下
④聴力
・10mの距離から90デシベルの警音器が聞こえる(補聴器による聴力も含む)

免許取得までの手順

牽引免許を取得するには3つの方法がある

  1. 教習所・・・牽引免許の教習が受けられる教習所に入校し、卒業検定に合格する方法。牽引一種免許のみ、この教習所での免許取得ができる
  2. 一発試験・・・直接免許試験場へ受験し、試験に合格する方法。牽引二種免許や、限定条件つき牽引免許はこの方法でしか取得できない
  3. 合宿免許・・・教習所が組んだスケジュールで免許取得を目指す方法。対象は牽引一種免許のみ。

免許取得までの流れ

牽引一種免許 牽引二種免許 条件つき牽引免許 教習所 1.教習所に入校し、適正検査と12時限の技能教習を受ける。
  • 2.卒業試験に合格後、免許試験場で適性検査に合格すれば、免許の交付 一発試験 1.免許試験場へ行き、技能試験を受ける。
  • 2.試験合格後、適性検査もパスすれば免許の交付 1.免許試験場へ行き、技能試験を受ける。
  • 2.試験合格後、適性検査もパスすれば免許の交付 1.条件つき牽引免許の試験が受けられる免許試験場へ連絡する
  • 2.牽引免許を取得している人に、試験用の車を試験場へ運んでもらう
  • 3.試験合格後、適性検査もパスすれば免許の交付 合宿免許 1.電話やインターネットで、合宿免許を募集する会社や教習所へ応募し、好きなプランを選ぶ
  • 2.用意された宿泊施設に泊まりながら、教習所で短期集中のカリキュラムを受ける
  • 3.卒業試験に合格後、免許試験場で適性検査に合格すれば、免許の交付

試験内容と合格条件

教習所での卒業試験に合格するには、卒業試験で70点以上の点数を残す必要があります。 採点は減点方式で、持ち点100点からミスをするたびに点を引かれてしまいます。 卒業試験の内容は以下の通りです。
  1. 右折・左折
  2. 目標物に合わせた停車
  3. 踏切(踏切の前で一時停止後、発進)
  4. 指示速度(教官から指示された速度以上で走行)
  5. S字走行(脱輪や縁石の乗り上げがあると減点)
  6. 方向変換(牽引車とトレーラーが真っ直ぐな状態になっていないと減点)

牽引免許の取得は難しい?難易度&合格率はどれくらい?

牽引免許の取得は、難しいという声も聞こえてきますが、牽引一種免許と牽引二種免許では難易度に大きな差があります。まずは警察庁の『運転免許統計(平成29年版)』データを確認してみましょう。

牽引一種免許の合格率

受験者数:28,317人 合格者数:23,519人 合格率:83.1% 合格者数の約82%にあたる19,345人が『指定自動車教習所の卒業者』です。このことから自動車教習所で試験を受けると高い確率で合格できると予測できます。

牽引二種免許の合格率

受験者数:2,052人 合格者数:445人 合格率:21.7% 牽引二種免許の合格率は21.7%となっています。自動車教習所で試験がないことも合格率を低くする要因です。また、牽引二種免許を取得するまでに平均4回から5回ほど試験を受けています。

牽引二種免許|学科試験の内容と難易度

牽引二種免許を取得するためには最初に学科試験を受け、次に技能試験を合格しなければなりません。さらに合格した後、応急救護講習、旅客者講習を受講して免許が交付されます。一種の学科試験の合格率が約70%に対して、二種の合格率は35%ほどで約半分です。 試験問題は全てマークシート式となっており、文章問題90問とイラスト問題5問の合計95問。文章問題が1問1点で、イラスト問題が1問2点の合計100点満点。学科試験の合格ラインは90点以上です。牽引一種免許に比べて応用問題が多く、難易度が高くなるためしっかり対策をする必要があります。

牽引二種免許|技能試験の内容と難易度

一種免許の場合は、自動車教習所を卒業すれば、技能試験は免除。しかし、牽引二種免許は直接、試験場に出向いて技能試験を受けることが必須条件です。前述した通り、平成29年の合格率は21.2%となりますので、極めて難しい試験と言えるでしょう。 ただ、技能試験の項目は「右折」「左折」「目標に合わせた停車」「指示速度」「S字走行」「方向変換」「踏切通過」で牽引一種免許と同じ項目です。これらの項目の中で、見通しの悪い交差点や信号のない交差点、横断歩道の標識ルールに従い技能試験を行います。 そして、試験は、100点満点の減点方式を採用しています。牽引一種免許では70点以上で合格となるところ牽引二種免許は80点以上で合格です。ほんの10点の差ですが些細なミスで10点から20点 は、すぐに減点の対象となってしまうので注意が必要でしょう。 技能試験で最も難しい項目は「方向変換」。不合格者の実に70%が「方向変換」で失敗しています。次に難しいのが「S字走行」です。20%程度がここで失敗してしまうようです。

【最難関】技能試験で難しい「方向変換」とは?

技能試験の中で最も難しいと言われる項目が「方向変換」です。方向変換とは、車庫入れの動き。つまり車体を折り曲げながら、バックして最終的に車体を一直線にする動きのことです。一種免許でも縦列駐車と並び難しい項目の1つです。 特に大型車両の場合は、一般車両のように単純にハンドルを切ればよい訳ではなく、曲がりたい方向とは逆にハンドルを切る必要があります。例えば、バックして右の通路に侵入する場合、最初は反対方向の左にハンドルを切ります。そうすると、牽引車両の部分が押し出されて左側の通路に入っていきます。牽引車両が半分ほど入ったところで、最後にハンドルを右に切り、車体と車両の連結部分の曲がりを戻していきます。 また、方向変換でよく減点となるポイントとして、「停止位置」「ハンドルの折れ角」「折れ角の維持」「伸ばすタイミング」などがあります。折れ角が大きすぎたときや小さすぎて車両が車庫に入らないとき、またはバックできる場所が限りなく少ないと思ったときは、一旦前進して車庫スペースを確保しましょう。折れ角が激しく曲がったままバックすると、車体をまっすぐ伸ばせなくなります。 方向変換を習得するには、車両の動きや特性を論理的に理解し、何度も練習を繰り返すことが免許取得の近道です。

牽引免許を取得するために必要な費用

牽引一種免許を取得する場合

教習所・・・約10~15万円 一発試験・・・約7,000円 合宿免許・・・約12~16万円

合宿が一番お得

合宿免許は宿泊施設を利用するため、短期間とはいえ費用はどうしても教習所より高くなってしまいます。 では、なぜ合宿免許のほうがお得だといわれるのでしょうか? その答えは、教習所が独自に行っている割引サービスが利用できるからです。早期申し込みでの割引や学生割引、紹介割引など、割引サービスをいくつか利用することで、費用を大きく下げることができるのです。

補習・再試験のたびにかさばる費用

合宿免許のメリットは、安く、短期間で免許を取得できることです。 ただし、これは合宿のカリキュラム通り卒業できればの話。合宿免許では、補習や再試験を受けることになると、その分費用がかかることになります。 合宿免許の補習・再試験の料金は、2つとも6,000~8,000円が相場です。一回につき1万円近い額が必要となるわけですから、なるべく最短で卒業しなければいけません。 もちろんこれは教習所でも同じことがいえます。しかし、合宿免許の場合、日数が限られているというプレッシャーから精神的に追い詰められ、本来の力を出せずに補習や再試験を受け続ける可能性があるのです。 合宿免許の利用に向いている人は、短期間で確実に免許が得られるという自信のある人です。運転技術の高さを自負している人や、どうしても短期間で免許を取得したいという覚悟のある人に、この合宿免許はおすすめできます。

牽引免許はお手軽に、効率よく取得しよう!

牽引免許の取得を目指す人の多くは、その実用性の高さから牽引一種免許の取得を考えるでしょう。 牽引一種免許は、免許試験場での一発試験以外にも、教習所や合宿免許の利用も選択肢として選べます。 今の自分にぴったりの方法を選び、確実な牽引免許の取得を目指しましょう!

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