自動車免許を取得したら乗ってみたい憧れの輸入車【Volkswagen「ザ・ビートル」】

1   「自動車免許を所得したら、あのクルマに乗ってみたい!」。そんな夢が広がる時間も、とても楽しいものです。特に輸入車は、個性的なクルマが多く、自分自身を演出するツールとしても一役買ってくれます。   「でも、運転とか難しくないの?」と考えるのもごく自然なことです。実は、初めての輸入車でも、乗ってみると想像以上に乗りやすく、運転が楽しかったという意見がほとんど。そこで、輸入車専門に日頃から走行テストなどを行っている筆者が今回セレクトしたクルマが、Volkswagen「ザ・ビートル」です。  

長い歴史を誇るビートルは、いつの時代も愛され続けた

  2   初代「ビートル」(タイプⅠ)がこの世に登場したのは、今から実に80年近く前の1938年。国際的に最も愛されたクルマと言われ、その生産台数は世界最多の累計台数2,152万9,464台という伝説的なクルマなのです。その技術は、当時としては卓越したもので、曲線を多用したボディは単に可愛らしいのではなく、空気抵抗を計算に入れたものなのです。現在でも多くの愛好者が多く存在し、免許を取得して最初に乗ったクルマが初代「ビートル」というドライバーも筆者は知っています。   その後、最新の安全性と現代のクルマの快適性を備えて1999年に2代目となる「ニュービートル」、そして、2012年には3代目で最新型の「ザ・ビートル」を発売。2016年には、さらにスポーティにマイナーチェンジを行った最新型が誕生しました。  

見とれてしまうデザインは日本人のセンスでは真似ができない!

  3   「ザ・ビートル」のエクステリアは、全長4,285mm×全幅1,815mm×全高1,495mmと、日本で乗るにはちょうど良いサイズといえます。目の前にすると、その存在感は相当なもので、キュートといったものより、血統に「ポルシェ」の血が流れているスポーティなクルマという印象を受けます。全体に丸みを生かしながらも、細部にはエッジを効かせ、いかなるクルマにも似ていないこのエクステリアは、「ビートル」以外、何者でもありません。   ドアを開けると、細部にまで「ザ・ビートル」専用設計といえる部位が目に飛び込んできます。260Km/hまで刻まれたユニークなデザインのメーター類、スポーティなD字形状の小径ステアリング(オーディオをはじめ多岐の操作が手元で可能)、パドルシフト、ドアノブ、新型形状のエアーコンディショナー、ボディ同色のグローブボックスなど、その個性的な装備を数えたら、キリがありません。  

圧倒的な“しっかり感”は輸入車ならでは!

  4   キーを回すと、直列4気筒SOHCインタークーラーターボが目を覚まします。日本車に比べてエンジン音は大きめですが、それはあくまで演出の一環。エンジン回転が上昇するに従い、乾いた抜けのいいサウンドが気密性の高いキャビンに届き、ドライバーの気分を抑揚させる「サウンドチューン」がなされていることが確認できます。また、信号などで停車すれば、クルマに関心がなくなっている昨今とはいえ、「ザ・ビートル」は痛いほど周囲からの視線を感じます。   高速道路での“しっかり感”は、国産同クラスとは別もので、路面に吸い付くような安定性を味わえます。アクセルを軽く踏み込むと、心地よく加速させ、スポーティに変貌したエクステリアを裏切ることはありません。気が付けば、スーっと速度が出ている感覚は、輸入車ならではといえます。   個性的なエクステリアは、永年の相棒になってくれること、間違いなし。環境性能や、お財布にもやさしい省燃費性にスポーティな走りをプラスした「ザ・ビートル」。おすすめです。       profile   筆者:外川信太郎/モータージャーナリスト   2000年に独立後、輸入車専門誌、新聞コラム、自動車情報ウェブサイト、キャッチコピーなどの手がけるモータージャーナリスト。年間百数十台の輸入車のインプレッションを行い、輸入車の素晴らしさを伝えている。以前はヨーロッパでレーサーとしての活動もしていたため、安全運転への関心も高い。