出会い頭事故は、見えない場所からやってくる
運転に慣れ始めた頃に最も気をつけたいのが、出会い頭の事故です。特に四輪車対自転車での出会い頭事故の発生件数は全国的に多く、死亡者も少なからず出ています。四輪車ドライバーが前方確認を怠ったり、自転車側がマナー違反をしたりと原因はさまざまで、住宅街や細い道では特に注意が必要です。今回は、出会い頭事故についてご紹介します。
出会い頭事故って?
交差点や視界の悪い道などで、違う方向から侵入してきた車両対車両、または車両対歩行者がぶつかって起きる事故のことです。建物や塀といった障害物で見通しが悪くなっている道や、信号がない住宅街の交差点で発生するケースが多く、どちらか片方もしくは両方が、適切な安全確認を怠って交差点内に侵入してしまうことが原因とされています。 四輪車対自転車や四輪車同士の出会い頭事故が多くみられ、事故当事者が高齢者であることも少なくありません。状況によっては四輪車側の過失が大きくなることも考えられますので、慣れた道でもマナーを守って走行することが大切です。出会い頭事故はなぜ起こる?
- 認知ミス四輪車側がカーブミラーや一時停止などで確認をしたものの、結果として車両や歩行者を見落としてしまうことを認知ミスといいます。四輪車は視界に入りやすいですが、歩行者や自転車、二輪車などは四輪車に比べると小さく、見落としてしまいがちです。見通しの悪い道のほか、混雑した駐車場でも起こりやすくなります。
- 標識の見落とし「止まれ」や「歩行者注意」といった標識を見落としてしまい、スピードを十分に落とすことができなかった場合です。四輪車ドライバーが携帯電話で通話をしながら走行していたり、ぼうっとして注意力散漫な状態で運転していたりすると、標識の見落としが起こりやすくなります。
- 思い込み「自分が走っているこの道路は、優先道路だろう」とお互いに思い込んでしまい、スピードを落とすことができずに衝突してしまう場合です。また、「一時停止」の標識がない道路や、狭い道幅の道路で「相手が止まってくれるだろう」とお互いに思い込んでしまい、衝突してしまうことも。四輪車同士の事故では、この思い込みが非常に大きな原因の1つとなっています。
出会い頭事故を防ぐためにできること
- 何はともあれ一時停止「止まれ」や「一時停止」の標識があるときに一時停止するのはもちろんのこと、慣れない道や標識がない道路でもしっかりと一時停止をこころがけましょう。初めて走る道でどちらが優先道路かわからず、気づいたときには衝突していた……ということも。停止線での停止だけでなく、相手にこちらの存在を確認させるための停止や、一度停止したあとにゆっくりと進行し、こちらが相手を確認できる位置で再度停止する「多段階停止」も意識してみましょう。
- 道路標識を見落とさない標識の見落としも出会い頭事故の原因の1つになっています。交差点ではきちんと標識を確認し、その道で守るべきルールを把握しましょう。夜間になると標識がわかりにくくなっていることがあるため、日中に運転するときよりもさらに注意が必要です。
- こちらが相手を認知する交差点に侵入してくる相手を、こちらがしっかりと認知しましょう。一時停止やカーブミラーは、事故を防止するために大切なこと。大きな四輪車はもちろん、見落としがちな歩行者や自転車、二輪車もきちんと確認しましょう。
- 優先道路でも油断しない自分が優先道路を走っていたとしても、カーブミラーで対向車や歩行者の確認をすることは重要です。たとえ優先道路のドライバーに非がなくとも、相手側が急に飛び出してくる可能性はゼロではありません。常にスピード管理を行い、万が一の事態にもすぐに停止できるような速度での走行をこころがけましょう。
交通事故の過失割合について
交通事故が起きた際は、事故を起こした当事者同士の過失の割合を数値化します。過失とは事故が起きた際の不注意のことで、加害者側だけではなく被害者にも不注意があった時にこの割合が変化します。過失割合に応じて被害者が加害者に請求できる損害額の割合も変わるため、事前に確認しておくことが必要です。- 交差点で発生した事故の過失割合について
交差点の条件
- 信号がある交差点かどうか
- 優先道路が存在するかどうか
ドライバー自身の過失
- 「著しい過失」15km/h以上30km/h未満の速度違反、酒帯運転、脇見運転などの前方不注意など。
- 「重過失」30km/h以上の速度違反、酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転など。